01 パウダースノー
朝起きてみると、外は辺り一面雪をかぶっていました。
パウダースノーでした。
朝早かったので、まだ誰もその上を歩いていませんでした。
道も木々も家の塀も、穢れをしらぬ雪にすっぽり包まれて、何ともなまめかしい曲線を描いていました。
薄明の光を映した淡い青色に、キラキラと微細な輝きが鏤められています。
私は思わず息を呑み、見とれてしまいました。
見慣れている我が家の庭が、こんなにも美しく彩られているなんて……。
めったに見られるものではありません。
こんな貴重な風景に足を踏み入れ、壊すことなんてことは、私にはとてもできなかったのです。
大勢の方々とこの美しい風景を共有したい……!
それで遅刻しちゃいました。
……ハイ、申し訳ありません。
2013.2.10