自然界が冬の眠りから覚め、活動を始めます
ふきのとうから始まり、
芹、蓬、ノビルギボシ、タラの芽、たけのこなどなど
小原庵流になるべく素材の味を壊さずにお料理をするように
心がけています。
春の薬膳
春は草木の新芽がぐんぐん伸びるように、冬の間に身体の中で内燃された命の源が活発化し、陽気は上半身の穴から、陰気は下半身の穴から活発に新陳代謝を始め、新しい細胞生成に向けて始動を開始するのです。
その働きを内からコントロールするのが肝臓、従って春は肝機能高揚の季節、肝臓お大事の季節です。
ただ中医学でいう肝は、肝臓という臓器だけではなく、筋肉、目、爪、神経などをあわせ包括し、解毒や血液の貯蔵などにも関連しています。したがって春になっても肝臓が順調に働かなければ身体がだるく詰まった感じがし、目もかすみ精神もイライラと安定しません。それが高じて怒りが爆発して喧
嘩になる事もしばしば。
また反対に、発動しないままのボンヤリ症状は“木の芽どき”と呼ばれる鬱病を引き起こします。
こんな時は気持ちをのびのびと開放させ、軽く身体を動かして、砂糖、刺激物、辛味、酒などを控えて、肝を養う食物をたべましょう。
セロリ、アスパラガス、春菊、レバー,牡蠣、アサリ、シジミ、ゴマ、蜂蜜など。薬草や生薬ではカモミール、大棗、五味子、菊花、枸杞子、など。
肝に影響を及ぼすのは酸味です。
酸味は出すぎるものを渋らせ、筋肉を引き締め、炎症、寝汗、下痢、頻尿、遺精などに有効。少量を摂取するのがコツですから、毎朝一粒の梅干、疲れたときのレモン、酒の肴には酢の物を一品。
サラダの中にイチゴ、キウイ、りんご、ヨーグルトなどを入れる。この程度でいいと思います。
また、よもぎ、たんぽぽ、芹、ふきのとう、こごみ、ノビル、独活などの山菜もおおいに利用してください。